イタリアたび日記 アンギアーリ5

 

 

骨董市で歩き疲れ、バスに待ちくたびれ、疲労困憊でアグリに戻ると、遅くなったにも関わらず、皆が夕食を待っていてくれました。
若マンマ・エレナのお兄さんも遊びに来ていて、再びにぎやかな食卓。
プリモは、温かいトルテッリーニ・イン・ブロード。
これが冷えた体に、本当においしかった!

朝、マンマに「夜何が食べたい?」と聞かれて「おすすめのものを!」と答えてみたのだけれど、手間のかかるトルテッリーニを作ってくれていて、感激。。
ブロードは、仔牛と鶏肉で作ったマンマご自慢の味なのだとか。
トルテッリーニには鶏と豚の挽肉が詰めてあり、こちらも旨みといい、つるんとした食感といい、ペルフェット!
お父さんが何度も「おいしいでしょ?」と自慢げに聞くのも、うなずけます。

 

セコンドピアットは、牛肉のカルパッチョ。
自家製の野生種のルーコラとグラナパダーノがたっぷりと乗り、敷地内のオリーブで作ったオイルをたっぷりとふりかけていただきました。
このオイルが、ぴりっとしていて濃厚で、牛肉の旨みを何倍にも膨らませてくれます。
トスカーナはやっぱりお肉料理が美味しいなぁ

 

そして、コントルノも私のリクエストでたっぷりと用意してくれました。
厚かましくも「野菜をたくさん食べたい!」とお願いしたんですが、黒キャベツの蒸し煮やサラダなど、自家菜園の野菜をふんだんに使って作ってくれました。
これが本当においしい!
まず、野菜の味の濃さが違うのと、ロレッタマンマの薄味の味付けで、野菜の甘みを存分に感じられるのです。

食べながら、おっとが庭でイタリア野菜を作っていることをお父さんに話すと、興味しんしんな様子。
「土とか気候が違うから、こんなにおいしくできないけれども」(←本当)と言うと、なぜか嬉しそうで「次は旦那さんと来なさい。土の作り方を教えてあげるよ。」とお誘いいただきました。
これは農業関連のイタリア語も勉強しないといけなさそう(笑)

 

翌朝、敷地内の畑を案内してもらったり、駅まで送ってもらう途中で、周り道をしてオリーブの収穫の様子を見学させてくれたりと、最後まで親切にしていただきました。

ロレッタマンマが後でこっそり教えてくれたんですが、ベッピーナおばあちゃんは「他のゲストが来た時は、あんなにリラックスしていないのよ」とのこと。
どうやら、eriちゃんと私は気に入ってもらえたようです。

街もちょっと散策したんですが、アンギアーリの人達は本当に「いいひと」という形容がぴったりくるような、温かいひとが多かったです。
旅をしている間の一瞬の繋がりではあるんですが、その「一瞬」だからこそ分かる、閃くような感覚というんでしょうか。

移動の多かった今回の旅。
最後に温かい家庭的なイタリアに触れられて、充実度が一層増しました。

 

 

【おまけ】

とっとろ、とっとーろ~♪

 

 

 

 

イタリアたび日記 アンギアーリ4 アレッツォ編

 

 

翌日、ウンブリアのタルトゥーフォを求めて旅立ったeriちゃんとは別れて、食器の買い付けにアレッツォの骨董市へ出かけました。
山道をバスで50分ほど揺られて、アレッツォへ到着です。

ヨーロッパ最大級と言われるアレッツォの骨董市は、毎月第一日曜とその前日の土曜日と2日間開催されます。
この市に来るのは今回で3回目なんですが、土曜日に来たのは初めて。
日曜日ほど告知が徹底していないのか、思いのほか空いていてちょっと拍子抜けです。
お店も一部準備中だったりで、やっぱり日曜日がメインなのかな?
でも、ゆっくり商品を選ぶには持ってこい。
提示された値段を「ちょっと考えます」と言って、後で戻ると、たいてい値引きしてくれるからです。
混んでいると、戻ってくるまでに売れちゃうことがあるので、この辺の駆け引きが何とも悩ましい。。

今回の目的は、カッフェ用の銀のスプーンとティーカップなど。
特にカップ類は、エスプレッソ用のものを補充したかったので、やる気満々で挑みました。

あとは、に頼まれた花器でしょー、実家の母へのプレゼントと、、、と気が付いた時にはすでに3時間経過!

そりゃ疲れるはずだわ。。。
疲れると勘も鈍るし、イタリア語もますます出てこなくなるので、ここでいったん休憩。

お昼の時間を過ぎてしまっていたので、サラミ屋さんで簡単にパニーノを作ってもらいました。
今日はポルケッタ(焼き豚)のパニーノ。
実は私、ポルケッタってしょっぱくてパサパサしていてあまり好きじゃなかったんですが、何だかこの日は妙に気になってトライしたところ、これが見事にビンゴ!
塩気も疲れた体にはちょうどよく、スパイスも効いていて、何よりお肉がしっとり。
1回食べただけで、知った風にジャッジしちゃいかんなぁ、と反省しました。
(あ、でもポルケッタ食べるの、これで4回目だった。。)

ポルケッタとワインでエネルギーをチャージした後は、またひたすら出モノを探してウロウロウロウロ。
この後も、バールで1回休憩した以外はずっと歩いていたので、合計6時間は歩いていたことになります。
食べても太らないわけだ。。。

 

ようやく目的のものが揃って、時計を見ると18時。
18時過ぎのバスで、アグリに戻ることにしました。
夕食は20時と言われていて、「18時か19時頃には戻りますね」とロレッタマンマに言っておいたので、ちょうどよい時間かな。
アレッツォ駅が始発のバスなので、もしかしたら少し早目に入線してるかもな、などと思いつつバス停へ。
しかし、バスはなし。

ま、そんなに都合よくいかないか~
と、大人しく時間まで待つことにして10分。
時間どおりに来るわけないよね、と20分。
まったくイタリアってやつは、と30分。
…もしかして、1本飛ばされた?で、40分。。。
ちょうど同じ会社のバスが到着したので、休憩に降りてきた運転手さんに「18時15分のバスが来ないんですけど…」と聞いてみたら「え?今19時だから、もう行っちゃってるでしょ?」と。
「いや、だって18時から待ってたんですけど…」と言ってみるも「何でだろうね?」と逆に聞かれる始末。

うふふ。
そうよね、こんなことでイライラしてちゃ疲れるだけよね。。。

でも、この運転手さんが次のアンギアーリ方面に行くバスを運転するとのことで「ドア開けておくから、乗って待ってて。疲れたでしょう」と言ってくれて、イライラも沈静。
アグリに夕食に遅れる電話をし、バスの中で本を読んで待っていたら、さっきの運転手さんが戻ってきて、さりげなく読書灯をつけてくれました。
いいひと~

その後も、真っ暗な山道続きで降りるバス停が分からなそうだなと思って(イタリアのバスは大抵降車バス停の表示やアナウンスはありません)この運転手さんに「アンギアーリで降りたいんですが、着いたら教えてください」と言うと「アンギアーリのどのへんに泊っているの?チェントロ?バス停からは遠いの?道分かるの?大丈夫??」とすごく心配してくれて、運行経路から外れたアグリの前まで行ってしまいそうな勢い。
(実は、過去にこれに似た経験をヴェネトでしているのです。イタリアのバス、恐るべし!なのですよ。)
「バス停の前のスイカって名前のバールの近くだったから、大丈夫!」と話して、ようやく運転手さんも安心してくれました。

アグリに戻ると、アグリのお母さん達も少し心配していたので、呑気だったのは自分だけか、とちょっぴり反省。
運転手さん(と他の乗客の人達)にとても親切にしてもらった話をしたら、安心してくれたようでした。

 

自分のことのように心配してくれたり、喜んでくれたり。
初めて会った人にこんなにオープンになれるのって、とても素敵なことだと思います。
イタリアの魅力って、こういうところにもあるんだろな。

 

 

 

【おまけ】

でも、あなたとはどこかでお会いした気が…

 

 

 

 

イタリアたび日記 アンギアーリ3

 
夕食の準備が出来たので、エプロンを外して隣の母屋に伺うと、おとうさんと息子さん、そして可愛いルチアちゃんがいました。

ちょうど赤ちゃんのごはんが終ったところだったようなんですが、何故かまた一緒にテーブルへ??

ワインで乾杯して、夕食のスタートです。

先ほど作った、ブリンゴリ。
卵が入るのはリッチな配合と言っていましたが、おかげでつるんとした食感がたまりません。
腰も強く、日本人好みの麺です。
サルシッチャや茸のダシもよく効いていて、絶妙!

と、夢中で食べている途中にふと正面を見ると…

 

ルチアちゃんが、マンマにブリンゴリをおねだり!
離乳食の月齢まるで無視(笑)
そうか、さっきのは前菜だったのね…

で、隣を見てみると、体調の悪いeriちゃんはリーゾ・ビアンコを食べてるし(涙)
なかなか体調が復活しないeriちゃんは、泣く泣くご馳走を諦めて、病人食のリゾ・ビアンコ(イタリア版のおかゆ)を作ってもらったのでした。
可哀想すぎる、eriちゃん。。。
eriちゃんの分まで頑張って食べるね!
と頼まれた訳ではないけれど、お皿はセコンドピアットに突入。 リクエストして作ってもらった、鹿の煮込みです。
この鹿、辞書をひくとノロジカとあり、急に親近感を覚えてお願いしてみました。
共食い?

ワイン、香草などに一晩浸けこんであるので、全く臭みがないんです。
繊維質な肉質ですが、ほろほろとほぐせるくらい柔らか。
噛む時に一瞬だけジビエ特有の風味がありますが、むしろ旨みに感じます。
味付けも塩辛くもなく、脂っこくもなく、ちょうどよい加減。
トスカーナ料理って塩辛いものが多いんですが、ロレッタお母さんは薄味派のよう。
これは嬉しい♪

最後に、これまた絶品のヨーグルトタルトを食べ、デザートワインなどもいただいて、終了。
3世帯家族に混ぜてもらった夕食は、美味しいだけではなく、久しぶりにイタリアの家族の楽しさを思い出させてくれました。

それにしても、お腹いっぱい。。。
久々の「お食べ攻撃」も思い出した(笑)

 

 

【おまけ】

 

廊下を歩いていると、

こんなコや

こんなコがふいにいて、びっくり!

可愛いから嬉しいんだけど、下の子が暗闇で動いた時は「雑巾が動いたーっっ」って心臓止まるかと思った。。。

 

 

 

イタリアたび日記 アンギアーリ2

 

 

オイルの搾油所見学を終えて、向かったのは今日宿泊する予定のアグリツーリズモ。

アグリツーリズモとは、農園を改装した宿泊施設のことを指します。
宿泊しながら、農業体験や乗馬、料理レッスンが受けられるなど、のんびりとくつろいだバカンツァを送れる施設としてイタリアでは人気があります。
ただ、現在は形態も様々で、民家を改装しただけのB&Bスタイルや、キッチン付きアパートメントタイプなど、ニーズに応じて選ぶことができます。

今回お世話になった『Val della Pieve ヴァル・デッラ・ピエヴェ』は元たばこ農家のご家族が始めた、正統派スタイルのアグリ。

小高い丘に位置し、広大な土地に、オリーブ畑やヒマワリ畑、自家菜園、プールなどを所有しており、馬・鶏・アヒル・犬・猫…など、たくさんの動物も一緒に住んでいます。
景色も空気も本当にキレイ!

と、この時は時間が押し気味だったのもあって、部屋に荷物を置いたら、すぐに料理レッスン開始です。

今日の先生は、おばあちゃん・おかあさん・およめさんの三世代女性陣。
にぎやかに挨拶を交わして、レッスンスタート!

まずは、お嫁さんのエレナがベッピーナおばあちゃんの指示のもと、パスタ用の粉を混ぜていきます。
この日のプリモには、この辺りの名物パスタ「ブリンゴリ」を教えていただきました。
シエナだと「ピーチ」、オルヴィエートだと「ウンブリケッリ」と呼ばれるパスタで、違いは名前だけみたい。
「食べた場所の名前で言えばいいのよ」とは、ロレッタお母さん。

3人別方向から一度に話しかけられるイタリア語&オサナイさんとeriちゃんと私の日本語で、厨房の中は軽くカオス状態(笑)
そうこうしているうちに、ブリンゴリの生地は練り上がり、セコンドの鹿肉もオーブンに入りました。

そして、いよいよ真打登場!

85歳のベッピーナおばあちゃん。
お話も足腰もしっかりしていて、重い麺棒をするすると操ります。
かっこいいなぁ~

 

お許しをいただいて(笑)、私も参戦!
お喋りしながらこういう作業をしていると、昔祖母や母の手伝いで梅干しを干したり、栗の皮を剥いたりした(剥かされた?)ことを思い出しました。
やっぱり、こういうのって楽しいな。

 

麺が出来上がったら、ソースの準備。

この茸も、敷地の森で採ってきたそうです。
今日はこの茸とサルシッチャのトマトソース。
美味しそう!!!

 

もう一品、ヨーグルトのトルタをさささっと作って、準備完了!
お嫁さんとお母さんで手際よく準備を進め、気が付いたら洗いものも全部完了。
時折冗談を言い合いながら、息のあったコンビネーションで家事をこなす様を見ていたら、嫁姑関係の鏡のように見えてきました。

 

と、妙なところも感心してしまった、 ヨメ・ジャポネーゼ 2人なのでした(笑)

 

 

 

 

イタリアたび日記 アンギアーリ1

 

 

フィレンツェで最後まで美味しいモノを食べられて、大満足な気分で次の訪問地アンギアーリへ。
アンギアーリは、フィレンツェから電車でアレッツォまで行き、そこからバスで更に50分ほど行った山間の小さな街です。

ここを訪ねるに至った経緯は、ロンドンに住む仲良しのeriちゃんに連絡したことがきっかけ。
私がイタリア北部~中部に行くとメールをしたら、なんと同じタイミングでフィレンツェ・アレッツォに行く予定とのこと!

彼女はロンドンでイタリアンのパスタ教室をしていて、1年半前にパドヴァで同じ料理コースに参加し、同じくアパートもシェアしたのが仲良くなったきっかけです。
研究熱心な彼女は年に数回イタリアへ勉強に来ていて、今回はアレッツォ近くでオリーブオイルの搾油所見学と、アグリツーリズモに泊って、そこのマンマにお料理を教えてもらう予定になっている、というではありませんか。

そのプランにちゃっかり便乗させてもらい、フィレンツェで待ち合わせをしたという訳です。

フィレンツェから2人で遠足気分で電車に乗り、小1時間ほど揺られて着いたアレッツォには、今回オーガナイズしてくださったオサナイさんとアグリの息子さんが待っていてくれました。
早速車に乗り込み、紅葉の綺麗な山道をオリーブオイルの搾油所へ向けて出発です。

着いた場所は、小高い丘の上にある搾油所で、見渡す限りオリーブ畑が広がっています。
しんと静かで、土の湿り気を帯びた空気、搾油所から漂うオリーブのよい香り。
ここにいたら、すごく健康になれるだろうなぁ、というマイナスイオンたっぷりの場所でした。

早速中を見学させていただきます。

ちょうど近所の方達が持ちこんだオリーブを、洗浄機にかけているところでした。
葉や枝は後で機械で分別されるんですが、大きいモノは手で取り除いていきます。

その後、23℃の低温で実と種を一緒に粉砕します。
これが、オリーブオイルが他の植物油と異なる点なのです。
通常の植物油はその種子だけを原料にしますが、オリーブは果実ごと。
いわば、オリーブのジュースになるのです。
そのため、オレイン酸やビタミンEが豊富で、栄養価の高いオイルとなる訳です。

ペースト状になったオリーブを、今度は遠心分離機にかけ、オイルを抽出します。
通常は1分間に6千回回すそうですが、この搾油所では3千回に抑え、栄養分や旨みをより残す工夫をしているそうです。

また、残った絞りかすは、更に機械で果実と種とに分けられ、種は薪などを燃やす燃料(ペレット)として、精製されるそう。

オリーブの種のペレットは、通常のペレットよりも燃焼時のカロリーが強く、また長時間高温を保つとのことです。
こういう再利用法は、環境面から考えてぜひ普及してもらいたいですね。

再利用といえば、こちらの搾油所では、オリーブオイルを使ったクッキーやビスケットも作っていました。
オリーブの香りがほんのり漂う、手作りの美味しさで、あまりに美味しかったので家族のお土産にお買い上げ。
(軽いしネ!)

その後、試飲もさせていただきましたが、苦みとピリっとくる辛さはトスカーナのオイルそのもの。
今年の新絞りのものは、更に旨みが濃厚で、とってもおいしいオイルでした。
というのも、今年は雨が少なく、熱い日が多かったそうで、オリーブの収穫量は少なかったけれど、旨みは強いとのこと。
ワインのぶどうとはちょっと違うんですね。

オリーブオイルの搾油所は、イタリア各地で見学させてもらいましたが、ここはオートメーションと人の手とのバランスがとても良い、という印象を受けました。
何より、搾油所で会った方達が皆笑顔で、仕事に誇りがあるからこその余裕なんだなぁと思いました。

オサナイさんオーガナイズの搾油所見学は、1名からでも受け付けてくださるそうなので、この時期に中部イタリアへ行かれる方はオススメですよ!
詳細は、オサナイさんのHP・ブログへどうぞ。

HP:トスカーナへようこそ!
ブログ:マンジャーレ!イタリア

 

 

 

【おまけ】

どうしてトラクターって赤が多いんだろう??
紫とかあったら欲しいな。。