イタリア料理日記 リグーリア州 1

リグーリア州・チンクエテッレにやってきました。

チンクエテッレとは世界遺産に登録された5つの漁村の総称で
Monterosso al Mare・Vernazza・Corniglia・Manalora・Riomaggiore 
の5つの村から成ります。
今回ここにやってきた目的は「Cappon Magro カッポンマーグロ」というお料理のため。
イタリア料理を勉強し始めた時に読んだ本で見てから、
ずっとずっと食べてみたかったお料理です。
でも、イタリア人でも知らない人が多いくらい地域性の強い料理で、
かつ、お祝いの席など特別な時にしか食べない昔の宮廷料理なので、
常時作っているお店が少なく、予約をしても10人分からではないと受け付けてもらえなかったりと
食べられるお店を探すのがまた大変でした。
実際現地に行ってみてからも、情報が古かったり、
オフシーズンの為お休みだったりで大変だったのですが、
同行の友人のおかげでなんとかたどり着くことができました。
Manaloraの街からバスで5分ほど、山道を登ったところにお店はありました。

ちいさく「Cappon Maguro」と書かれたプレートしかないので入り口をみつけるのに苦労しましたが、おいしそうな匂いが漂っていたので思い切って呼び鈴を押すと、すぐにお店の女性が扉を開けて招き入れてくれました。
店内は小さな山間の村にあるとは思えないほどモダンな作り。青山あたりのイタリアンレストランにいるかのようです。
メニューを見てもかなりモダンに作りこまれたお料理のよう。
お目当てのカッポンマーグロを含むコースを頼むと、前菜に待ちに待ったお料理が運ばれてきました。

これがカッポンマーグロです。
盛り付け方は現代風にアレンジされていますが、調理法や使っている素材などは私が読んだ古いリチェッタ(レシピ)と同じです。
伊勢海老や牡蠣などのたっぷりの新鮮な魚介類と茹でた野菜を層のように重ね、ペストジェノヴェーゼやサルサヴェルデ、ベシャメルソースなどのソースで味付けされています。
魚介は他に鯛・すずき・マグロの燻製・えび・ムール貝・あさり・アンチョビなど。
野菜はビーツ・ズッキーニ・じゃが芋・インゲン・カリフラワー・人参・マッシュルームなどなど。
デリケートで優しい味で素材の旨みがストレートに伝わってきます。
それでいて、異素材の旨みがぶつかり合うことなくバランスよくまとまっているのは、絶妙な加減のソース使いのおかげ。
アンティパストだけで大満足してしまいましたが、この後のお料理も素晴らしかった!

これはリグーリア地方では「チュッピン」または「ブリーダ」と呼ばれる魚のスープで、
魚介類を裏ごしした濃厚なスープ。
このお店ではズッキーニの花に白身魚のつみれを詰めたものを具として加えていました。
魚介づくしなのに飽きさせない、シェフの技量のすごさが伺えます。

「Dorinoのロースト アンチョビソース」
皮目をかりっと焼いた魚のローストは一見普通に見えますが、
臭みが気になりがちな皮の旨みとアンチョビの香りが上手にまとまっています。
飾り的だと思っていたトッピングのざくろの酸味と種の歯ざわりが、
意外なことに全体を引き締めよいアクセントになっていました。
こういうトッピング使いは本当にセンスが必要だと思います。

ドルチェにはヨーグルトのムースを。
アーモンドとメレンゲで作った焼き菓子が添えられていて、
まったりしがちなムースを最後まで美味しくいただけました。
この焼き菓子の技法はどちらかというと、フランス菓子的。
繊細な食感と嫌味の無い甘みが絶妙でした。
イタリアに来ると素朴な風合いのお料理を好んで食べてきたのですが、
このお店の現代風なお料理はとても勉強になりました。
イタリア人が郷土料理を現代風に作るとこうなる、というよいお手本になったからです。
味はもちろん、盛り付けのセンスも抜群でしたし、お店の人のサービスもとても心地よかったです。
ただ難を言えば、アクセスの悪さ。
シーズンオフの今は帰りのバスが無くなってしまうので、
暗い山道を30分かけて歩いて帰らなければなりません。
小さな街なのでタクシーもなく、特に女性だけでの夜のこの帰り方はお勧めできません。
このアクセスの悪さが、隠れ家的な雰囲気に一役買ってるのかも。
Cuppun Magru in casa di Marin
住所:Cinque Terre Localita Groppo Via Volastra 19
   19017 Riomaggiore (SP)
Tel:0187-920563
予算:魚尽くしコース 1人42ユーロ
お店の人がとても親切!
でも、夜の山道は怖かった。。。

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